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【武豊】完璧な走りで完勝したジャパンCを回顧

2016-12-06 [週刊大衆2016年12月19日号]

 まさかの一発! 大逆転サヨナラ満塁ホームラン。薄氷を踏むような勝利。僅差の逃げ切り……勝負ごとには、いろんな勝ち方があります。でも、本当に面白いのは、強い馬が、強い勝ち方をしたとき。1番人気に推された馬で、そんな勝ち方ができたときは、もう、なんとも言えない気分です。“世界”を意識した最高の舞台、第36回ジャパンカップ――。

 キタサンブラックの勝ち方は、まさに、その言葉通りの優勝でした。「強いキタサンブラックを見せることができて、本当に幸せです」 表彰式でも胸を張って答えることができました。馬体、気配、返し馬……この日のキタサンブラックは、すべてにおいてパーフェクトだったと思います。

 レースを振り返ってみましょう。抽選で決まったのは「天皇賞・春」で勝ったときと同じ、1枠1番。スムーズにゲートを出られたら、こうしよう。わずかでも出遅れときは、こう。強引にハナを主張する馬がいたときは無理をしないで……いろんな想定をしていましたが、キタサンブラックが抜群のスタートを決めてくれたので迷わず先頭へ。気負うことなくスムーズに1コーナーに入れたことが、そのあとの走りにつながりました。

 1000メートルのタイム、61秒7。この日の馬場状態を考えると、61秒が理想だろうな――そう思っていただけに、ここまでは、すべて思い描いていた展開です。そして、勝負は4コーナーから最後の直線へ。

有馬記念といえば、競馬を知らない人でも名前くらいはご存じだろう。一年の最後に行われるJRAのGⅠで、馬券売上は最高額を誇る(1996年に865億円を記録)。優勝賞金は2億円。出走馬がファン投票で選ば…
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