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【武豊】G1有馬記念の季節に思い出すオグリキャップのこと

2016-12-20 [週刊大衆2017年01月02日号]

 師走、12月。競馬の枠を超えた国民的レース「有馬記念」が近づくと、ある馬のインタビューを受ける機会がぐんと多くなります。

「今、改めて思い出して、どうですか?」 こんな質問から始まって次は、「どこで勝てると思いましたか?」というレース回顧。聞く人の目が徐々に輝いていきます。

 そして、「17万7779人のコールを浴びたときは、どんなお気持ちでしたか?」 記憶の中のシーンを再現し、最後は、「人の言葉や思いを、すべて分かっていたような馬でしたよね」 すべての思いをぶつけるように、発する言葉にも熱がこもります。

 1990年12月23日、第35回有馬記念――。“奇跡のラスト・ラン”として今も語り継がれるオグリキャップの有馬記念は、それだけ多くの人の心を揺さぶったということですよね。この僕も含めて。

 オグリキャップ・ブームとは、いったい何だったのか。いや、ブームという言葉をはるかに超えたあの熱狂は、なぜ生まれたのか。もう一度、競馬界に、あのブームを起こすにはどうしたらいいのか……。

 競馬新聞を手にしたファンが懸命にオグリの名前を叫び、ボロボロと涙をこぼしている姿を思い出すたびに、そんなことを考えます。今のところ、答えは「オグリキャップだったから」という言葉以外、ちょっと見当たらないのですが。

 でも、もしもオグリキャップが言葉を話すことができて、「最後をよりドラマチックにするために、前2走……天皇賞・秋とジャパンカップはわざと負けたんだぜ」と耳打ちされたとしたら、なるほどなと納得しちゃう。そう思えるほど、自分でドラマを作る馬でした。

 僕がオグリに乗せていただいたのは、このときの有馬と、その年の安田記念の2度だけ。それでも、オグリといえば武豊と言っていただけるのはうれしいし、騎手冥利に尽きます。

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