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【武豊】G1ドバイワールドカップに挑戦。テレビの生中継、馬券も発売!

2017-03-21 [週刊大衆2017年04月03日号]

 3月11日午後2時46分。中山、阪神、中京の各競馬場から、東北地方を襲った大震災で被害にあったすべての方に黙祷を捧げました。6年前……あまりにも無力な自分に落胆しました。競馬があってよかった。そう思わせてくれたのは、レース終了後、募金のために、長い長い行列を作ってくれた競馬ファンの熱い心に触れたときでした。

 騎手会長として何ができるのか。武豊として、どんなことができるのか。考え続け、それでも答えはなかなか見つかりませんが、大切なのは忘れないこと。そして、もうひとつ、皆さんに喜んでいただけるようなレースをすることだろうと、思いを新たにしました。

 そして翌12日。中山競馬場で行われたG3「中山牝馬ステークス」は、まさしく、そんなレースができたと思います。パートナーのトーセンビクトリーは、震災の翌年に誕生した女の子。これまで15戦して5勝していますが、僕が3勝、弟の幸四郎が2勝と、武家との縁が深い馬です。6勝目、初タイトルも僕の手で一発を狙ってのレースでした。

 前半は前に馬を置いて、3番手からの競馬。ちょっとペースが遅すぎるかも。そんな心配も道中半ばを過ぎた頃には吹き飛んでいました。3歳時は気性が激しくオテンバだった女の子も、いつの間にか成長し、酸いも甘いも噛み分けたレディへと変身してました。直線入り口では、外から被せてきた馬を先に行かせてから馬群の外へ。遮るものがなくなったのを確かめてゴーサインを出すと、乗っていて気持ちいいほど弾けてくれました。

 もう5歳!? いや、まだ5歳です。彼女が本当に強くなるのは、これから。さらに大きな勲章を目指して頑張ってくれるはずです。

「祖父の戦死知る」これは、競走馬の世界ではありえないことである。なぜかというと、レース中に戦死してしまったら、その血はそこで終わりだから、子も孫も存在せず、孫が祖父の戦死を知るというようなことはあり…
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